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ファサード22天空の契

…今新潟暮らしをしている私は大学から自宅まで短いタクシーに乗る
先日の運転手さんは変わった方で「ウィルスは地球にとってはワクチンなのかも知れませんね」と温暖化の話の中でそうおっしゃった。共感を感じながらもそも元々人である私は最後は人の傍らにしか寄る辺なくと脳内で独り言したものである。

篠原烏童先生のファサード最新刊「天空の契」を読みました。

ファサードが変転する数多の異世界は理にかないながらも毎回驚天動地の則が支配する世界であって、その中で忽然と顕れたキーポイントであるファサードがその世界に作用する瞬間を私たちは見届けているのだと思うけれど。

もうひとつ、どの世界に置いても生きる物は誤り迷妄の罠に陥り惑い足掻いている。けれどもその中に貫かれているものがある。

それは常にこの現世に生きる人間の世界でも、傍らで小さく灯され、世の荒波に晒されては揺らぎ、大風の前に消失しそうになりながらしかし、厳然と灯されている…「尊厳」という灯りである。
人はファサードを繙くたびに己を省みざるをえない。みずからを省みて顔を赤らめ、あるいはふと慰められ、そして作品の著者が我々がともすればかき消してしまいかねない「尊厳」をファサードという作品を通して「鞴」の息を吹きかけて灯し起こして呉れているのを感じるのだ。

天空の契については小さなことも「ネタバレ」になりかねなくてこんな抽象的な印象しか書けないけれど。
しっかりマスクして、自分の尊厳も他者の尊厳も大事に本日も生きるのですわよ…と思わせられたことは
書いておきたくて認(したた)めました。

2021年9月9日読了
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